老鶯日記

むかしの鹿児島の面影を求めて、庭の花とともにつづります

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

御仏籤を引いて

日没も早くなり、午後6時には真っ暗になります。心落ち着かず、観音堂にお参りに行きました。どこからともなく香る薪を燃やす匂いは、風呂焚きの準備でしょうか。 滝の水音が響くお堂で、日頃の罪業を反省して、家路につくと遠く列車の汽笛の音が聞こえまし…

漢詩 琵琶行

夜深忽夢少年事 夢啼粧涙紅闌干(夜ふけ、ふと夢に見た若い頃のこと、夢で泣いて化粧した顔をつとう涙は紅くなりました。) 薩摩琵琶を弾かなかったら、この漢詩に、ここまで魅かれなかったと思います。学生の頃に、四書五経、漢詩、漢籍をいろいろと読みまし…

地変の弾法を追って

昔の薩摩琵琶の名人の音源を聞いていると、基本の弾き方は、ほぼしてないです。個性がでていたり、持て余す技術で装飾したり、それが凡人には、くせ者です。 先日練習で、「基本の弾き方はできているから、変化した弾法を勉強してください。」と言われて、ど…

琵琶曲 潯陽江(じんようこう)

唐の詩人白居易が、左遷された江州で、秋の夜に客人を見送る際にどこからか聞こえる都風の中国琵琶の音色。問えば、琵琶を弾く妓女も流れ流れて江州へ来ており、白居易もまた振り返れば、流されてきたことの感慨を述べた漢詩琵琶行。琵琶行を薩摩琵琶の曲に…

古本屋さん

秋の過ごしやすい季節。感傷的な気持ちのせいでしょうか、古本屋さんに行きたくなるものです。昭和の前半頃の古い本を読んでいると、文章や挿絵、写真に時代感があり、懐かしさと落ち着きを感じます。 古典、仏教書、陶芸、、

秋空の甲突川沿い

秋の木市 年々、お店の数が少なくなっていく気がします。時代の流れで、しょうがないのでしょうが、さびしいものです。昔のにぎわいを懐かしく思います。 コスモスの花 帰り道に、瓶入りの牛乳が売っていたので、一本買いました。家に帰り、空瓶にコスモスを…

寒蘭

秋の寒くなる頃に、静かに咲き出す寒蘭は、清貧な印象があります。寒蘭は、産地がいろいろあるようですが、南国の鹿児島で聞く『寒』の響きには、氷や雪へのあこがれを感じます。傍らに置いた寒蘭のたたずまいを見ていると、銘をつけて競う人間の姿は虚しく…

観音路

道脇の草々 午後も日差しがやわらかく、過ごしやすい季節になりました。山際は、木陰に入ると、ひんやりとするくらいでした。観音さまにお参りする途中、道沿いの草たちも花を咲かせたり、穂を出したりと、秋のにぎわいを微笑ましく思います。

秋夜思

お香皿 買い物に出かけたとき、ちょうど陶器の売り出しをしていました。「お香の皿に使うのに良さそう。」と思い、買いました。室内に香りが流れる冷たい秋雨の夜に、時間を気にせず、ひとり読書をしながら、夜が更けていくのは、幸せであります。

秋冷

飽きのこない八ッ橋から学ぶこともあり 朝晩が、だいぶ過ごしやすくなりました。 夜の琵琶の練習会も、いつもながらに参加する方が少なく、さびしいものです。録音がいくらあっても、時間がない現代では、あまり活用できていない気がします。見た目や小手先…

神無月

床の掛け軸 今朝は、雨がぱらつきましたが、着物を着て支度して、お茶会の手伝いに行きました。途中、「ちょっと逆よ!」の声に慌てながらも、一段落して外眺めていると、秋なんだなと、たそがれてしまいました。結構なお点前でございました拝 日没前に寝床…